100周年、1913Lockout (ロックアウト)-その3-

100年前のダブリン、オコンネルブリッジ&ストリートです。

LOCKOUT 4
          トラムが走ってます。(ネットより)

1913年8月26日、トラムの運転手やコンダクターがトラムの運営を止めました。ジム・ラーキンの呼びかけに答えたのです。これがLockoutのきっかけになりました。

翌年1月まで続いたロックアウト。20,000人以上の労働者が関わったそうだ。


トラムの会社は当時Dublin United Tramways Companyと呼ばれており、この人がオーナーでした。

LOCKOUT 3
    William Martin Murphy(ウィリアム・マーティン・マーフィー)氏。

ジム・ラーキンは当時Dublin United Tramway CompanyとGuinnessの従業員をターゲットに労働組合に入るよう呼びかけ、ストライキをしようとしたそうなのですが、ギネスの従業員の待遇は当時かなり良かったため、誰一人労働組に入ろうとしなかったらしい。

しかし、Dublin United Tramway Companyの従業員の中には労働組合に入るものがおり、後にウィリアム・マーティン・マーフィーは300人ほどの労働組合に入った従業員をすべて首にしてしまい、代わりに労働組合員でない人を雇ったそうだ。この人、Anti-Unionなんですよ。


現代でもしそんなことしたらUnfair Dismissal(不当な解雇)で経営者側が訴えられて負けますよ。でも昔はそんなことしても大丈夫だったわけですよ。人権なんてなしですわ。お蔭でウィリアム・マーティン・マーフィーはWilliam Murder Murphyとも呼ばれていたらしい。

このウィリアム・マーティン・マーフィー、当時手広く商売してました。例えば昨日のブログにもちらりと書いた、Imperial Hotel(インペリアルホテル)とClerys Department Store(クレリーズ・デパートメント・ストアー)の(同じ場所に両方経営していたらしい)オーナーでもありました。

ここは現在Clerys Department Store(クレリーズ・デパートメント・ストアー)のみ。

LOCKOUT 1
         1916年のイースター蜂起でほぼすべて破壊されました。


メディアを牛耳るものはすべてを牛耳るなんて言われますが(言いますよね?)、ウィリアム・マーティン・マーフィーはIrish Independentのオーナーでもありました。牛耳っていましたね、間違いなく。

LOCKOUT 7
             1913年、ロックアウト時。(ネットより)

LOCKOUT 8
      現在。


8月31日、ジム・ラーキンは結局逮捕。

LOCKOUT 11
       サイン入りポストカードより(ネットより)

ジムは出所後アメリカに渡るのですが、彼のいない間リーダーになったのがこの人。1912年、ジムと一緒に労働党を結成した人でもある。

james_connolly.jpg
             James Connolly (ジェームス・コノリー)

1916年、イースター蜂起でインペリアルホテルがほぼ全壊したとき(上の写真参照)ものすごく喜んだらしいジェームス・コノリー。だってオーナーは敵、ウィリアム・マーティン・マーフィーでしたからね。


とにかくロックアウトで労働組合の労働者たちは仕事がなし。ということは収入なし。食べ物を買うお金もないわけですよ。そういう彼らのためにジムがイギリスの労働組合にお願いして食べ物を載せた船を送ってもらったそうなんです。

イギリス自体も8月31日のBloody Sundayを大きく報じ、彼らにかなり同情的だったそうです。

LOCKOUT 9
                 船を待つ皆さん。(ネットより)

食べ物もないので子供たちが育てられないと親たちがイギリスのカソリックの家に里子に出すところもあったらしい。

LOCKOUT 10
                  ノーコメント。(ネットより)  
            
1900年代初めはダブリンにとっては激動の年であったということはイースター蜂起でお分かりだったと思いますが、その前にこんなことがあったとは私はつい最近まで恥ずかしながら全く知りませんでした。

当時、私が今想像しているよりはるかにすさまじい生活をしていたのであろう。この時代に生まれていなくて良かったと思います。

このおかげで現在はホリデーももらえるし、労働者側が強くなり、労働者の人権が守られてる。

たとえばアイルランドでは会社経営者は簡単に社員の首を切れません。基本3回警告しないといけません。もちろん入社時の契約にもよりますが。

経営者は口頭でまず警告。その後文章で警告。それでもだめな場合文章で最後警告。そして首にできます。第3者の立会人をつけることもあります。それを怠ると会社側がUnfair Dismissalで社員に訴えられ負けます。(社員は1年以上働いていないとだめですが)

しかし1913年からあまり変わっていないのは貧富の差だと思う。格差幅が国際平均の4倍もあるらし。貧富の差がそれだけ広いということです。

貧乏な人はそのまま貧乏で終わる。。。自分の親や先祖も同じだった。分ってるから人生最初からやる気もなく、結局ドラッグに手を出したりアル中になったり犯罪を犯したり。。。そんな人たちがここには現在もたくさんいます。

100年経っても昔とさほど変わってない部分をを見ると、なんだか悲しくなります。



ロックアウト関連記事は明日で終わります。


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No title

まるで新聞のコラム欄の様で、興味深々・何回も読み直ししながら読ませていただいてます。
明日で終わるなんて、チョット寂しい…
ジャガ芋飢饉とタイタニックのお話を聞いた時みたいにワクワクで読んでます😊
歴史の裏話って、真面目な意味でオモシロイです。

mamma-EIDさんへ

兄嫁から「お姉さんのブログはブログじゃないよね。」と言われたことがあります。

興味を持っていただけて本当にうれしいです。ありがとうございます!友達からはよく「歴史には興味ない」と言われるんでいつもがっかりしてるんです。

えらそうに書ける身分でもないし、「教えてやろう態度だ!」などと読者から怒られれる前に歴史ものはほどほどにしておこうとは思っています。私も100%知ってるわけではないのでね(汗)

来週からは普段通り、ちょっと間抜けな生活ブログになりますのでよろしくお願いします。

No title

いえいえ、アイルランドに興味を持つ導入になっていいと思いますよ。
「詳しく知りたかったら調べてね~」って感じで良いんじゃないですか?
次回のお話はなんだろう...ワクワク

mamma-EIDさんへ

基本、「詳しく知りたい方は調べてね~」です、いつも(笑)。

次回はちょっとまとめになりますのであまり期待なさらないほうがよいかと。。。
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ティファニーカイリー

Author:ティファニーカイリー
人口1万人、サルやイノシシ、野良犬がうろついているような日本の田舎町から6年半勤めた地元金融機関を辞め、両親と愛犬とむ(2012年1月23日他界)を置き去りに、英語の勉強+大ファンのU2に会うべく、アイルランドはダブリンに到着したのは1999年9月25日。

語学学校へ9ヶ月、コンピーター学校へ2ヶ月通うも仕事が見つからず帰国。

仕事したさにダブリンに2か月だけ舞い戻ったつもりが、友達だったフランス人のおかげで運良く仕事が見つかり,ダブリンに居座ることに。

CIMA(英国勅許公認管理会計士)休学中(というか断念)。現在はイタリア就職を夢見てダブリンでイタリア語勉強中。アイルランド人の親友であるAちゃんが相続したNorthsideのお家に野良猫一家(母、娘&息子猫)とともに居候中です。

Press&Mediaの方はt.kylieroi40s@gmail.comへお問い合わせ願います。それ以外の方のメールのご使用は固くお断り致します。

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